「嵐が丘」映画ベスト3!Wuthering Heights

何度も映画化されている「嵐が丘」ですが、今日はその中から管理人の選ぶ、嵐が丘ベスト3をお届けします!

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それでは、ソフトポケットのランキング、行ってみましょう!

トップ1 2009年(英)主演:トム・ハーディ、シャーロット・ライリー(英ITV番組の映画化)


キャシー役のシャーロット・ライリーは、イングランド北部のダラム出身。このため北部のアクセントがとても自然です。(ちなみに管理人は英国北部住)またITVという英国のテレビ局の制作したもので、英国の風土や気候、この時代のヨークシャーに住む人々の暮らしの様子が忠実に再現されています。この作品はテレビ番組としても賞を受賞しています。

ライリーは、芯の強さと脆弱性を併せ持つキャシーの内面を良く演じており、これではどんな男もいちころ(死語)な「触れなば落ちなん」風情が漂い、とてもセクシーです。

一方ロンドン出身のトム・ハーディ演じるヒースクリフもとても立派です。やっぱりヒースクリフはワイルドで男前じゃなきゃ成り立たないところがあるので、いつも飛び切りの男優が選ばれますね。ジプシー出身の孤児で貧乏で外見がどうにも残念だったら、キャシーもここまで心惹かれることはなかったでしょうから。

トム・ハーディは、「ダークナイトライジング2012年」「マッドマックス怒りのデス・ロード2015年」にも出演しています。余談ですが、この二人はこの後実生活でも結婚しています。めでたしめでたしということで堂々の1位です!

トップ2 1998年(英)主演:ロバート・カバナー、オーラ・ブラディ(英ITV番組の映画化)



こちらも英国ITV制作のテレビ番組を映画化したものです。トム・ハーディ出演作品の前に制作されたもので、こちらもヨークシャーらしさがよく出ています。

オーラ・ブラディ演じるキャシーは、感情をうちに秘めた少し大人っぽいムードがあります。ヒースクリフ役のロバート・カバナーはどことなくラテン系な顔立ちでジプシーがバックグラウンドのヒースクリフにはぴったりです。

原作に忠実で、全体的に調和がとれていて楽しめます。どの映画のバージョンにも同じ名セリフがでてきて、同じ名場面があるのですが、それを見比べてみるのも楽しいです。

例えば、ネリーにリントンとの結婚の話をしていて、それをヒースクリフに立ち聞きされる場面。

It would degrade me to marry Heathcliff now; so he shall never know how I love him: and that, not because he’s handsome, Nelly, but because he’s more myself than I am. Whatever our souls are made of, his and mine are the same; and Linton’s is as different as a moonbeam from lightning, or frost from fire.
ヒースクリフと今結婚することは、自分の価値を下げることになる。だから彼は私がどんなに彼を愛しているかを知ることは絶対にないでしょう。彼がハンサムだから愛するんじゃないわ。そうじゃなくて彼が私以上に私自身だから。私たちの魂がなんでできているにせよ、彼の魂と私の魂は同じなの。そしてリントンの魂は、稲妻と月光が違うように、炎と霜が違うように全く違うものなの。

こんな名場面で、役者さんたちはここぞと演技を競うのでしょう。役者にとって演じ甲斐のある作品なのだと思います。

トップ3 1992年(英)主演:ジュリエット・ビノシュ、レイフ・ファインズ 音楽:坂本龍一


この映画は、音楽を坂本龍一さんが担当しています。英国俳優のサラブレッドレイフ・ファインズがヒースクリフ役。フランス映画界の実力派女優ジュリエット・ビノシュが、キャシーとその娘キャサリンを二役演じます。私にとってこの作品の目玉は、何と言ってもその音楽。ほかのどの作品とも一線を画した存在感のある音楽が作品のムードを高めています。ロケ地にヨークシャー国立公園のマラム・コーブを選ぶなど、ドラマチックな演出も必見。
(マラム・コーブ)
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フランス人のジュリエット・ビノシュが、イングランド北部の独特のアクセントの英語を話すのは難しいと思います。嵐が丘はその背景となる、ヨークシャーの自然、そこに暮らす人々の生活、これがあってこそのものなので、フランス人の彼女がそれをどこまで出せるかというのが、ある意味挑戦だったと思います。演技派なのでキャシー役に選ばれたのだとおもうのですが、そこからのプラスアルファがちょっとだけ上の2作に比べて足りない気がしました。

映画の原作について

嵐が丘 原題:Wuthering Heights」は、1847年、イングランドのヨークシャー地方、ハワース出身のエミリー・ブロンテによって書かれた長編小説です。

2世代にわたるアーンショー家リントン家の間の愛憎劇を描き、幽霊、リベンジ、愛情のもつれなど、人間の負の感情までもフルレンジで扱う作品に、当時の評判はよくありませんでした。またエミリーは女性だということを隠して男性名「エリス・ベル」としてこの作品を発表。

しかし20世紀に入ると作品の評価は高まり、サマセットモームに「世界の十大小説」として、ブランデンに「リア王」と「白鯨」に並ぶ「英文学の三大悲劇」として紹介されました。

Wuthering(ワザリング)」 という言葉は、イングランド北部の方言で、風が吹きすさぶさま、荒野を風が吹き荒れるさまを表します。



私はこの翻訳版を読みました。読みだすと止まらない面白さです。原作を読んでから映画を見るとまた違った味わいがありますね。

「嵐が丘」の映画化の歴史

『嵐が丘』は、世界各地で何度も映画化されています。一番最初が1939年のローレンス・オリヴィエ主演のもの。ハリウッド映画です。ヨークシャーを舞台にしたこの作品とはあまりにもかけ離れているような気がして、ランクインならず。日本でも、松田優作さんと田中裕子さんによって演じられています。なんと室町時代が背景!

1939年 ”Wuthering Heights”(アメリカ)監督:ウィリアム・ワイラー、主演:ローレンス・オリヴィエ、マール・オベロン

1953年 ”Abismos de Pasion”(メキシコ)監督:ルイス・ブニュエル、主演:イラセマ・ディリアン、ホルヘ・ミストラル – メキシコの砂漠が舞台

1970年 ”Wuthering Heights”(米英合作)監督:ロバート・フュースト、主演:アンナ・カルダー・マーシャル、ティモシー・ダルトン

1986年 ”Hurlevent”(フランス)監督:ジャック・リヴェット、主演:ファビエンヌ・バーブ、リュカ・ベルボー – フランスの田舎が舞台

1988年 「嵐が丘」(日本)監督:吉田喜重、出演:松田優作、田中裕子 – 鎌倉室町時代の日本が舞台

3位 1992年 ”Wuthering Heights”(イギリス)監督:ピーター・コズミンスキー、主演:ジュリエット・ビノシュ、レイフ・ファインズ

2位 1998年 ”Wuthering Heights”(イギリス)監督:デビッド・スキナー、主演:ロバート・カバナー、オーラ・ブラディ

1位 2009年 ”Wuthering Heights”(イギリス)監督:コキー・ジェドロイック、主演:トム・ハーディ、シャーロット・ライリー


2011年 ”Wuthering Heights” (イギリス)監督:アンドレア・アーノルド、主演:カヤ・スコデラリオ

映画を見ると、原っぱに出て、「キャシー!!」って叫びたくなりますよ。これほんと。

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