洋画おすすめ!『ムード・インディゴ~うたかたの日々~』 ロマン・デュリス

ムード・インディゴ~うたかたの日々~


原作:ボリス・ヴィアン うたかたの日々

本日の1本!管理人ソフトポケットのコメント

M softpocket

映画『ゲンスブールと女たち』の中で、ゲンズブールを最初に見出したジャズ・トランペット奏者、ボリス・ヴィアンへの興味からこの映画を見ました。音楽から入ったこともあり、この映画の印象は『Duke Ellington デューク・エリントン』へのオマージュとしか思えず、ストーリーの悲劇性やキャラクターの不思議さ、設定の奇抜さは全く気になりませんでした。

一言でいうと、抽象画に囲まれて前衛詩を読みながらジャズを聴いているようなもんです。おいしいワインでもあれば完璧ですね。

Duke Ellington の曲は、この作品のいたるところにちりばめられています。『Take the A Train』 や、『Chloe』、タイトルとなった『Mood Indigo』など、映画をスムーズにリードしていきます。

監督は、映画「エターナル・サンシャイン」のミシェル・ゴンドリー。原作に忠実に、しかもそのイマジネーションをさらに羽ばたかせる方向で成功していると思いました。

ヴィアンのこの作品の映画化はこれが初めてではありません。日本でも永瀬正敏ともさかりえ主演、「クロエ」というタイトルで映画化されています。



こちらの『クロエ』のほうも見ましたが、『ムード・インディゴ』の後に見たせいでしょうか・・。この作品の柱ともいえるジャジーな感じやシュールさが足りなく、日本的な湿りけが多すぎるように感じました。普通の悲しい恋物語になってしまったような・・。いえ、これはこれでよくできているんだと思います。たんに「ムード・インディゴ」が良すぎただけの話です。

評価:★★★★★

ストーリー

さて、本作品なのですが。ストーリーは、仕事をしなくても優雅に暮らせるだけの資産を持ったコラン(ロマン・デュリス)が、一人の女性クロエ(オードレイ・トトゥ)に出会い、恋に落ちます。幸せいっぱいの恋愛を経て二人は結婚。

二人の人生は順風満帆であるかのように見えますが、クロエが肺に睡蓮の芽がでるというなんとも美しげな不治の病にかかってしまいます。彼女を救うために、財産のすべてをなげうち、これまで経験したこともないような過酷な労働を余儀なくされるコラン・・・。

目くるめくようなカラーに満ちあふれた恋と結婚。その後に待ち受けていたモノクロームの救いようのない不幸な結末。あまりにも悲劇的なエンディングに、けっこうな不評を集めているようです。^^こういうの苦手な人はきっと決定的にだめなんでしょうね。

しかし私は、そんな不評に真っ向から反論したいです!ストーリーは、ヴィアンが『うたかた』というものを描くために使ったに過ぎず、ストーリーそのものについてあれこれ論じるのは、方向違いな気がするんです。

デューク・エリントンの曲「クロエ」があまりに好きすぎて、この小説を書こうと思ったのかもしれませんしね。別に「猫のコランがネズミのクロエと恋をしたけど、あげくは食べちゃった」でも構わないわけです。

私の好きなシーンあれこれ

きれいで切ない、
キッチュで楽しい、
ぷっと噴き出すシーンがたくさんあります。

レトロな宝石のようなシーンを一個ずつ楽しみます。

  • コランと二コラ(オマール・シー)のクッキングシーン。あったらいいなのカクテルピアノやテレビの料理番組。食べ終わると食器をかたずける(破壊する)テーブル。
  • デューク・エリントンの音楽に合わせて踊る人々。足がびよーんと伸びてかっこよくなる。
  • 『心臓抜き』ってなんてインパクトのある言葉なんでしょう!
  • スケート場のシーン。意味不明だがそのグロさ、シュールさがいい。
  • 二人でスワンに載っているときに、コランが「この音楽は嫌いなんだ」といって、ガンガンスピーカーをたたくシーン。笑 えー、空中なのでかなり怖い。
  • 当時の時の人「サルトル」をモデルにした「パルトル」に夢中なシック。いつの世にもこういうファンがいる。パルトルグッズなら借金したって買う。
  • クロエの睡蓮の芽の症状を落ち着かせるには、花がいる。花を必死で買い求めてクロエのベッドの周りに飾るコラン。切ないです
  • そうなんです、あなたも同じように感じていただけましたでしょうか。この丁寧にちりばめられた一つ一つのシーンが、トランペットの奏でる1パートのように心に響いてくるのです。

    キャストと製作

    【キャスト】

    コラン:ロマン・デュリス 
    トニー・ガトリフの『ガッジョ・ディーロ』や『タイピスト』、バネッサ・パラディと共演の『ハート・ブレイカー』、ちょい役で出ている『猫が行方不明』など、フランス映画ではおなじみの男優さん。若いころから好きでよく見ていましたが、コラン役はまあまあな感じです。

    クロエ:オドレイ・トトゥ
    アメリ』はあまりにも有名ですが、この他に本作でも共演しているガッド・エルマレとの『プライスレス』が結構気に入っています。本作では少し年齢を重ねた彼女が、はかなげなクロエを丁寧に演じています。

    ニコラ:オマール・シー
    二コラ役のオマール・シー。シャーロット・ゲンズブールと共演している『サンバ』、『最強の二人』などに出演する素敵な俳優さんですね。二コラの存在がこの映画の沈みがちなムードをどれほど引き上げてくれていることでしょう。

    シック:ガッド・エルマレ
    ミッドナイト・イン・パリ』では間抜けな探偵役、『プライスレス』では、完全にダメダメなホテルマンを演じたガッド・エルマレ。今回はコランの親友シック役で登場しています。私が今一番注目しているフランス人男優さんです。

    【製作】

    監督:ミシェル・ゴンドリー「エターナル・サンシャイン」
    原作:ボリス・ヴィアン「うたかたの日々」
    脚本:ミシェル・ゴンドリー、リュック・ボッシ

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