『ゲンスブールと女たち』Gainsbourg, vie héroïque仏映画

ゲンスブールと女たち [DVD]


本日の1本!管理人ソフトポケットのコメント

M softpocket

ゲンスブール Serge Gainsbourg本人が出る以外に、彼に近い人というのは存在しないでしょうから、俳優さんが似ていないからと責めるのはちょっとかわいそうですね。よく頑張っていると思います。でもやっぱり存在感が違いますね。やらしげなちょっとしつこい感じは似てたかな。笑。(ところで、なんでゲンブールなんでしょうか。映画の中のセリフも、歌詞でも、みんなゲンズブールと言ってるのに・・・。)

はい、発音のしかたや似てるかどうかは脇に置いておくとして。映画はフランスっぽい小粋なアニメーションがオープニングで出てきたり、ゲンスブールの分身の人形が出てきたりと、なかなか楽しませてくれます。なによりセルジュの音楽が全編を彩り、女たちとの出会いのテーマ音楽のようで味わい深いです。

音楽で女を思い出す。女で音楽を思い出す。

セルジュは、パリでロシア出身のユダヤ人の両親の間に生まれます。本名は『リュシヤン・ギンスブルグ』。床屋の小僧みたいな名前だから『セルジュ・ゲンズブール』にした、なんて言ってましたね。

そのくせ最後に生まれたバンブーとの息子には、『ルル(リュシヤン)・ゲンスブール』と自分の一度捨てた名前を付けているので、彼の心は彼のみぞ知るですね。フランスの女優、『シャルロット・ゲンズブール』は、1972年に彼とジェーン・バーキンとの間にできた娘。

父親はロシアでクラッシックのピアノ弾きだったらしいですが、フランスへ来てからは安酒場やキャバレーでピアノを弾いてなんとか生計を立てていたようです。第二次世界大戦が始まると、ユダヤ人狩りを避けてフランス各地を転々と逃げる幼年期。子供のころのゲンスブールには、常に戦争の影が付きまといます。

ゲンスブールと女たち

タイトルになっているほどなので、『さぞや』と期待される方も多いかと思いますが・・・^^映画は、彼の心に巣くう自分の外見への根強い劣等感とか、その裏返しの女性嫌いな面を描き出します。

時折現れる少年時代のセルジュが、彼の中の大人になり切れない、ナイーブさ(いい意味ではない)の抜けない自分を象徴しているようですね。少なくとも普通のモテ男ではなかった

感慨深いジェーン・バーキンのお言葉。

私が自分に対する悪意だと思っていたことが全部、結局は感受性の強すぎる、恐ろしいぐらいロマンチックな人間の自己防衛だったと分かったのです。人には見せないけれど、優しくて感傷的な人だったのです。後日、彼は自分のことを「偽の意地悪」と言ってましたが、本当ですよ・・・

By ジェーン・バーキン
(『ゲンスブールまたは出口なしの愛』より)

まあ、人見知りでへそ曲がりの男の子がオヤジの皮をかぶっているようなもんですね。

本作品は、そんなセルジュの実像に女たちを通して迫った映画だといえるでしょう。音楽家、映画監督、写真家、歌手、作詞家、俳優。。。ありとあらゆる肩書で語られる、偉大なるフランスきっての伊達男、セルジュ・ゲンズブール。彼を虜にした女たちはいったいどんな女性たちだったのでしょうか。

リーズ

セルジュの最初の奥さんは彼と同じ画家の卵でした。ゲンスブールよりも二歳年上のLise。ゲンスブールは幼いころから絵がうまく、一時は画家を目指していました。二人は絵に情熱を捧げますが、どうにも絵画で成功するめどが立たず、貧困の中セルジュが絵画から遠ざかることで次第に二人の関係も冷めていき、離婚してしまいます。当時売れないピアノ弾きだったゲンスブールの才能を見出したのが、すでにフランスで人気のあったジャズトランペット奏者・小説家のボリス・ヴィアンでした。

音楽:”L’ hippopodame”- Serge Gainsbourg

ジュリエット・グレコ

juliet

セルジュは歌手ジュリエット・グレコにも曲を提供しています。大ヒットしたLa Javanaise(Chez Greco)は、フランス人の誰もがふと口ずさむ国民的な曲となっています。私も大好きでふと歌ってしまう曲ですね。オン・ドンサ・ラ・ジャバネーズ。。。♪

音楽:La Javanaise(Chez Greco)ラ・ジャバネーズ

ブリジット・バルド―

BB

短期間(3か月間)だったにせよ、ゲンスブールに与えた彼女のインパクトは絶大だったようです。当時ブリジット・バルドーには配偶者(ギュンター・ザックス:ドイツ人富豪でかなり亭主関白だったらしい)がいましたが、ゲンズブールと収録した『Je t’aime….Moi Non Plus ジュテーム..モア・ノン・プリュ』(イギリス・スペイン・イタリアなどで発表後すぐ発禁になるほどエロチック)に大激怒

この曲も、彼女との関係もこのためお蔵入りとなりますが、のちにジェーン・バーキンバージョンとして陽の目を見ます。ブリジットはザックスとはいずれにせよ離婚してしまい、後々チャリティに収益を寄付することを前提に自分のバージョンの公開を許可します。

音楽:
Initials BB (イニシャルBB)
Bonnie and Clyde(ボニー&クライド)
Comic Strip(コミック・ストリップ)

BB役の女優さん、レティシア・カスタさんが素晴らしいです。必見!

Je t’aime,moi non plusは「エロチック」というのが定説なのですが、本当にきれいなメロディでラブがいっぱい。エロがすべてを圧倒しているようなものではありません。まあ、エロで何が悪いって話なんですが。発禁とか、当時びっくりして過剰反応しすぎたんじゃないかな。

ジェーン・バーキン

ブリジットとの恋の破局からの傷心も癒えぬまま、セルジュは英国人の歌手・女優ジェーン・バーキンに出会います。当時セルジュは53歳、ジェーンは20代前半でした。ここに英国ポップの風がエレガンスをモットーとするフレンチ男の胸の中に吹き込みます。ここからのセルジュは、ジェーン経由で入ってくるブリティッシュロック・デカダンス・サブカルチャーの怒涛のような波に乗り、一気に時代の寵児となっていきます。

jane

音楽:
Je t’aime…Moi Non Plus
Histoire De Melody Nelson
Valse de Melody


Serge Gainsbourg & Jane Birkin – valse de melody & ah melody

バンブー

幸せで円満なジェーンとの生活も、セルジュのアル中とDVが原因でとうとう破局を迎えます。

荒れるセルジュ。
bamboo

そこに現れたのが、中国人とドイツ人の両親を持つ売れないモデル、通称バンブー。パリのディスコティーク、エリゼ・マチニオンで出会った二人は、傷ついた2匹の小動物のようにお互いを必要としました。なぜバンブーというのかというと、出会ったとき竹のパイプで薬物を吸っていたからだとか…。自分で作り、自分で壊し、自分も壊す。セルジュの言葉「俺は全てに成功したが、人生に失敗した」が心にしみます。

キャスト

セルジュ・ゲンスブール/エリック・エルモスニーノ
ジェーン・バーキン/ルーシー・ゴードン
ブリジット・バルドー/レティシア・カスタ
ジュリエット・グレコ/アナ・ムグラリス
バンブー/ミレーヌ・ジャンバノワ
ラ・グール(面)/ダグ・ジョーンズ
フランス・ギャル/サラ・フォレスティエ
ボリス・ヴィアン/フィリップ・カトリーヌ
音楽プロデューサー/クロード・シャブロル

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