モンテーニュ通りのカフェ(Fauteuils d’orchestre)ヴァレリー・ルメルシェ

本日の1本!管理人ソフトポケットのコメント

M softpocket

2013年公開のこの作品の邦題が、『モンテーニュ通りのカフェ』とは知りませんでしたが、原題は“Fauteuils d’orchestre”、英語のタイトルは“Orchestra Seat”。日本語に訳した人のご苦労がしのばれます。映画自体は何回もDVDで見ているのですが、映画の見方が雑なため(好きなとこだけ見るし)、このカフェのある通りが『モンテーニュ通り』とはつゆ知らず・・。パリには何度も仕事で行っていますが、モンテーニュ通りが有名な通りとはつゆ知らず・・・。

それでも映画は無知な私を差別しません。ちゃんと暖かくもてなして、最高に満足させてくれました。

【ストーリー】
田舎出身の女の子ジェシカ(セシル・ド・フランス)が、おばあちゃん(シュザンヌ・フロン)に影響されて憧れのパリに上京、有名な劇場や、オークションハウスが軒を並べる通りのカフェで幸運にも仕事をみつけます。このカフェはギャルソン(男のウェイター)しか雇わない方針だったのですが、あまりの忙しさに彼女を雇ってしまいます。ジェシカはその持ち前の明るさと屈託のなさで、カフェに集まってくる有名人や資産家とだんだん親しくなっていきます。

誰の心の中にでもすっと入り込み、ちょこんと座って笑っているような、ジェシカがとてもかわいらしくて無邪気です。原題の『オーケストラ・シート』とは、オペラのオーケーストラのはいる位置に近いシートを意味します。近すぎるので細部がよく見える(全体が見づらい)座席です。映画でもあまり前のほうの席は良くないですよね。ジェシカは、このオーケストラ・シートにうっかり座ってしまったのでしょうか。^^

カフェに集う様々な人々の人生の中に、ジェシカという飛び入りがひょっこり入り込み、たくまずその人生を変えていきます。『パリ・ジュテーム』とかとはまた違った語り口なのですが、こういう感じ、フランス映画では多いですね。大笑いとか大どんでん返しとか、そんな感じじゃないのですが、ぷっと噴き出すセリフやシチュエーションはさすがです。特に私は女優のカトリーヌを演じたヴァレリー・ルメルシエが好きで好きで仕方なく、にやにやしっぱなしでした。劇場管理人のクローディ(ダニ)も存在感抜群です。

評価:★★★

カフェに集う人々

ジェシカ(カフェで働く):セシル・ドゥ・フランス
リュック一つをしょってパリに上京する女の子。雨のエッフェル塔を背に、仕事もなく途方にくれる様に、私もほんとに同情しました。カフェで雇われて本当に良かった。しかしほぼ文無しのような若い子がパリ8区にそんなに簡単に住めるものかな、という疑問は置いておきましょう。ショートカットとミニスカートがほんとにキュートです。

おばあちゃん:シュザンヌ・フロン
ジェシカのおばあちゃん。シュザンヌ・フロンはこの映画の公開の前年に他界。この作品が遺作となりました。

ジャン=フランソワ・ルフォール(ピアニスト):アルベール・デュポンテル
個人的には、この役者さんはピアニストではなく、もっと肉体系の人のような気がしましたが、どうでしょうか。有名なピアニストで、何年か先まで公演スケジュールがいっぱい。もう息が詰まりそうです。イライラをぶつけてしまいマネージャーをしている超美人の奥さん、ヴァランティーヌ(ラウラ・モランテ)ともなんとなくうまくかみ合わない。ホテルの部屋にたくさんモノが置いてあることに我慢がならなかったり、タキシードを着てコンサートに出ることを嫌ったりと、なかなかに難しい人。

ジャック・グランベール(美術品収集家):クロード・ブラッスール
一代で資産を築き上げた美術収集家。晩年になり若い愛人ヴァレリー(アンヌリーズ・エスム)を得、収集したすべての美術品をオークションにかけることを決意します。その中には、元妻との思い出の品『ベゼ』も含まれていました。

フレデリック・グランベール(ジャックの息子):クリストファー・トンプソン
ジャックの息子で、ジャックの愛人ヴァレリーの元夫。非常にフランスらしい設定でにやにや。それもあるでしょう。にやにや。カフェでジェシカに出会い、親しく話すようになる。

カトリーヌ・ヴェルセン(女優):ヴァレリー・ルメルシエ
劇場に出演する女優で、テレビの昼ドラにも出ている。ジェシカはその昼ドラの大ファンで、興奮を隠しきれない。アメリカ人の映画監督、ブライアン・ソビンスキー(シドニー・ボラック)をカフェで見かけ、新作のシモーヌ・ボーヴォワールの自伝映画の主役抜擢をもくろみ接近を企てる。絶妙、軽妙、捧腹絶倒。すごいとしか言いようがないです。もう大好き!

クローディ(劇場管理人):ダニ
カトリーヌの出演する劇場の管理人。シャンソンが大好きでヘッドホンが手放せない。自宅でも大カラオケ大会。フラットが決まらない宿なしのジェシカに何かと優しくしてくれる人。本当に存在感のあるひと。一度見たら忘れられないというのはこういう人のことを言うのでしょう。

制作

監督: ダニエル・トンプソン
製作者: クリスティーヌ・ゴズラン
制作年:2013年
言語: フランス語, 日本語
字幕: 日本語

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